塩ビシート防水機械固定工法
2023/02/24
工事の背景と課題
ビルやマンションの屋上は、建物全体を守るうえで非常に重要な役割を担っています。
特に屋上防水は、雨水の浸入を防ぎ、建物の寿命を大きく左右する要素です。
今回ご紹介する施工事例は、既存のアスファルト防水が劣化していたビルの屋上を、
**塩ビシート防水(機械固定工法)**で改修したものです。
アスファルト防水は耐久性の高い工法ですが、経年劣化によりひび割れや浮き、膨れが発生しやすく、
防水性能が低下して雨漏りリスクが高まります。そこで、撤去費用や廃材処理の負担を抑えつつ、
防水性能を長期的に確保できる塩ビシート防水工法が選ばれました。
既存アスファルト防水の劣化状況
ひび割れ・亀裂の発生
アスファルト防水は長期間の使用で硬化し、表面にひび割れが発生します。
この隙間から雨水が侵入し、防水層の内部や下地を傷める原因となります。
膨れ・浮き
防水層の内部に水蒸気が入り込むと、膨れや浮きが起こり、防水機能が低下します。
放置すると雨漏りや断熱材の劣化を引き起こすため、早期の対応が必要です。
雨漏りリスク
実際の現場でも、防水層の浮きや劣化が進行しており、雨漏りのリスクが高まっていました。
そこで、改修方法として「塩ビシート防水機械固定工法」が最適と判断いたしました。
「塩ビシート防水」とは
塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂を主原料としたシートを用いる防水工法です。
特徴
・耐候性に優れる:紫外線や熱に強く、長期にわたって防水性能を維持できる。
・軽量で建物に優しい:アスファルト防水と比べて軽量で、構造体への負担が少ない。
・改修に適している:既存防水層を撤去せずそのまま施工できる為、廃材が少なく環境に優しい。
・施工性の高さ:熱風溶接によりシート同士を一体化できる為、雨水の侵入リスクを大幅に低減。
こうした理由から、屋上・バルコニー・倉庫・工場など幅広い建物で採用されています。
「機械固定工法」とは
今回採用した「機械固定工法」は塩ビシート防水の代表的な施工方法の一つです。
工法の概要
下地にディスク盤を設置し、その上に塩ビシートを敷き込み、熱融着で固定していく方法です。
従来の密着工法と比べて施工性が良く、下地の影響を受けにくいのが特徴です。
「機械固定法」のメリット
・既存防水層を撤去せずに施工可能
・廃材が少なく、工期短縮・コスト削減が可能
・下地の動きに追従しやすく、長期的な安定性を確保
・軽量で建物への負担が少ない
・紫外線・熱に強く、耐候性が高い
・メンテナンス性に優れる
塩ビシート防水(機械固定工法)の施工手順
実際の施工現場での流れをご紹介いたします。
①下地調整・清掃
既存アスファルト防水の表面を清掃し、浮きや剥がれを確認。
部分補修を行い、塩ビシートを施工できる状態に整えました。
②絶縁シート敷設
下地との間に絶縁シートを敷き込み、既存防水と新しい塩ビシート防水の間に緩衝層を作ります。
これにより、施工後の不具合を防止します。
③ディスク盤の配置
塩ビシート防水を機械固定するためのディスク盤を所定の位置に設置。
これが「機械固定工法」の大きな特徴です。
④塩ビシートの敷設
塩ビシートを全面に敷き込み、重なり部分を熱風溶接で一体化。
これにより雨水の侵入を完全に防ぎます。
👉 今回の現場は架台が多く、シートを張り込む際に職人の高度な技術が必要でした。
塩ビシート防水は単純にシートを敷くだけではなく、架台・配管・機器類をジャッキアップし、
周囲の塩ビシートを丁寧に納める必要があります。その分、完成したときの達成感も大きく、
お客様にも安心していただける仕上がりとなりました。
⑤立上り・端末処理
屋上端や立ち上り部分には塩ビしーとを丁寧に張り込み、専用金物やシーリングでしっかり固定。
これにより仕上がりの強度が増し、長期的な防水性が確保されます。
⑥最終点検・完成
シートの溶着状態を確認し、施工完了。
施工後は防水層がしっかり一体化し見た目も美しく、長期的に安定した防水層が完成しました。
塩ビシート防水のメリット・デメリット
既存のアスファルト防水は、経年劣化によりひび割れや膨れが発生しやすく、
防水性能が低下して雨漏りの原因になることがあります。
そこで選ばれるのが「塩ビシート防水」です。塩ビシート防水は以下のような特徴があります。
メリット
・高い耐候性・耐久性
・改修工事に適しており廃材が少ない
・軽量で建物への負担が少ない
・メンテナンスが容易
デメリット
・熱風溶接など専門的な技術が必要
・強風地域では固定方法に工夫が必要
総合的に見ても、塩ビシート防水は現場条件に合わせて柔軟に対応できる優れた工法です。
他工法との比較
「アスファルト防水」との比較
アスファルト防水は重厚で耐久性がありますが、重量があり撤去時に廃材が多くなります。
一方、塩ビシート防水は 軽量で廃材も少なく、改修に適しています。
「ウレタン防水」との比較
ウレタン防水は複雑な形状にも対応できますが、定期的な塗り替えが必要です。
塩ビシート防水はシートを溶着させるため、長期にわたる耐久性を確保できます。
メンテナンスの重要性
塩ビシート防水は耐久性に優れていますが、定期点検が欠かせません。
特に端末処理やシーリング部は劣化が進みやすいため、5年ごとの点検をおすすめします。
適切なメンテナンスを行うことで、ことで塩ビシート防水の性能を長く維持できます。
まとめ
今回の施工事例では、既存アスファルト防水を撤去せずに
「塩ビシート防水(機械固定工法)」で改修を行いました。 この工法は、
・コスト削減
・工期短縮
・環境負荷低減
・高耐久・高防水性能
といった点で優れており、今後ますます多くの建物で採用されると考えられます。
リスペックは、「塩ビシート防水」をはじめとした各種防水工事を行っています。
「塩ビシート防水についてもっと知りたい」「自分の建物に合うのか相談したい」という方は、
是非お気軽にお問い合わせください。


